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Monthly Archives: 7月 2022

1つの問い合わせから始まる縁の商品⑤完成と納品

| 仕事現場 投稿者: .

こんにちは、Life is 家具マルミヤ 三代目代表の太田です。

 

ここまで長い寄り道をしましたがようやく商品化まであと一歩です。

今回お客様が選んでいただいたサイズはΦ1000☓奥行き900☓高さ700mmです。

天板サイズは小さければ小さいほど、テーブル下の納まりは極限まで干渉物構造物を省くことが理想です。

なぜかといいますと小さいテーブルほど、

隣に座った人の膝が当たる・アーム付きの椅子を合わせた時にアームが干渉する・脚の柱に脚が当たる・などが懸念させます。

 

それらを解決して完成しました。

お客様に許可いただけたので納品写真を紹介します。

部屋を圧迫することなくお客様にジャストフェットしました。撮影は窓側にダイニングを寄せて配置していますが対面キッチン側にも部屋の中央に配置しても問題なさそうです。

床はウォールナットですが、トム・ディクソンの照明とアクセントクロスのライトブルーがビオソファーの布とタモのナチュラルな色合いとマッチして素敵ですね。

長らくお待たせしちゃいましたが、お客様からも相談から完成納品まで200点満点をいただけました。おそらく通常の商品開発をしていたら挫折してお蔵入りしていたかと思います。

期待して待っていてくださる方がいたから頑張れたんだと思った次第です。

関わってくれた方全員に感謝です。

 

ブラッシュアップして量産化に向けて受注まもなく開始です。詳しくは別でアップします。

1つの問い合わせから始まる縁の商品④ようやくデザインに光が見えたような気がする

| 仕事現場 投稿者: .

こんにちは、Life is 家具マルミヤ 三代目代表の太田です。

前回にデザインが迷走に入ってしまったわけですが、

ある朝4歳の息子が「パパ、椅子ができたから見てみて」とのこと

それがこちら↓

以前製作していたキッチンカウンター用スツールの上に

ウォールナット材でつくった鍋敷をおいて背もたれにしているそうです。

絶妙なバラランスに自立していて感動したと同時にこの三角形の構造が何か使えないだろうか?

息子よありがとう。一歩前に進めそうな気がする。

 

そこから何枚もデザインと図面を書いて試作がスタート

いくつか書いた中で特にデザインが良さそうな渾身の試作がこちら↓

ノックダウン構造(天板・脚がバラせるだけじゃなく、1本脚自体もバラせる)でよくこれ正確につくってくれました。

加藤くん(当社マルミヤの自慢の職人さん)またピックアップして紹介します、ありがとう。

こちらをお客様にもご覧いただき満足いただきました。

 

しかし私の求める安定性だけクリアできておらず(求めるレベルが高すぎるのかもしれませんが)どうにかできないものか?

柱の支点を外側に持っていけばいいのか?

土台の角度をずらして安定しないものか? 考えをめぐらしてみます。

丸形のテーブルにおいて三角形(3本支点の120度)での構造体自体に、てこに対して限界があることがわかりました。

ここはきっぱり切り替えて4本支点での構造体のデザインを検討することにしました。

切り替えられたことでここから急ピッチで作業が進むことになります。

 

ベースの形ができあがったことで後はディテールを詰めていく作業(少し前のブログでN700系デザインの箇所のデザインや旋盤で加工した柱のショート動画も完成系ディティールの一部です。)

よかったら製作過程の記事も御覧ください。↓

N700系 続き

木チップ花火と削りぶし

次回 最終 完成と納品を紹介

1つの問い合わせから始まる縁の商品③デザイン迷走

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こんにちは、Life is 家具マルミヤ 三代目代表の太田です。

商品開発いよいよ本番の+α試作デザインアクションです。

はじめにLife is 家具マルミヤのラインナップでも 特に奥行きを狭められる半円ダイニングをコンパクト化させた案を試作しました。

かなりサイズダウンさせているので3本脚や4本脚にしても脚間が取れず非常に使いにくいと感じました。特にビオソファーなどソファータイプの長椅子に合わせるとなると脚の構造デザインは改良必須です。

お客様の平面図に落とし込んだところを共有させて頂きましたところ、半円型よりもうちは型の方をお気に入りいただきました。

半円型のコンパクトタイプはのちほど商品化したいと思います。

 

次にうちは型のコンパクト化です。

↓4本脚の丸テーブル10年前の商品です。これはこれで1人掛けの椅子だけで使う安定性もよく満足感は得られていました、それでも椅子の配置も決まってしまうところが難点です。

今回はビオソファーを合わせる条件ですので1本脚か中央にすごく寄せた柱にしなくてはなりません。中央に寄せた柱のテーブルというのはとても厄介でデザイン・安定性・重さを両立させるのが難しいです。

例えばよく見かけるカフェで鉄の脚がついたテーブル

軽食などをのせる分には良いですが立ち上がる時よっこらしょと手で体重をかけると転倒しやすかったりします。 

かと言って脚の土台をスッキリさせたBOX型(内側にウエイトを入れて重たくします)デザインや鉄のフラットバーなどを使って土台を重たくした1本脚のデザインは椅子の配置やデザイン面では良いですがやはり重すぎて移動がとても大変になります。

今回は配置替えが大人一人でもできるくらいにしてあげたいと思います。

デザインを試行錯誤しながら試作何回かやりましたがデザイン・安定性・軽さの三拍子揃うレベルには中々できません。

ここで迷走に入ってしまい壁にあたってしまいました。(泣)

お客様にもシェアさせていただき少しお時間をいただきました。

 

次回にようやくデザインに光が見えたような気がする に続く

1つの問い合わせから始まる縁の商品②情報整理フレームワーク

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こんにちは、Life is 家具マルミヤ 三代目代表の太田です。

商品開発続きです。まずは情報整理から 空・雨・傘+α のフレームワークを利用します。

A:空(現状認識)

①ビオソファーに合わせるためのテーブルである

②共働きのご夫婦

③お部屋LDの広さ対してのダイニング家具の大きさは制限される。

④アイランドキッチンから対面キッチンにリフォーム済

などなどペルソナマーケティングよりもずっとリアリティー(実感)があってワクワクします(笑)。

B:雨(現状分析)

①=ビオソファーは曲線ソファーなので円弧がある商品が合いそう

②=一人暮らしの家具ではなく、仕事を頑張る方々なのでお家時間を大切にできる家具のクオリティーが必要。シンプルかつ機能的なデザインが良さそう。

③生活空間を圧迫することなく、かつ使ったときに小さすぎないダイニングスペースを確保できる家具が良さそう。

④以前は無理やりアイランドキッチンがあったスペースを対面にキッチンにリフォームしてあるのでまだ家具の配置は多少自由度がありそう。

などなど

C:傘(解決方法)

①Life is 家具マルミヤの商品は円弧の商品をつくってきましたのでその蓄積の経験をいかして提案。

②コンパクトなサイズでも素材はチープな質感や木目のものは使わずに長く使うのに耐えられるソリッド(無垢材)を選定する。玄関からのアプローチで部屋に入ったときの印象が優しくなるように感じるようなデザインにする。

③部屋の動線がスムーズになるような形、具体的には椅子ソファーも含めた1800mm~1900mm角くらいのスペースでも狭く感じない形。

④食事・仕事・くつろぐなど用途によって配置が変えられる余地がある大きさと形。配置替えしても安定感や脚が邪魔にならない構造体にする。

 

分析と解決方法が若干重複している気がしますが一旦整理完了です。

次回+αの試作デザイン・アクションを紹介。

1つの問い合わせから始まる縁の商品①

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こんにちは、Life is 家具マルミヤ 三代目代表の太田です。

また一つダイニング空間を有効利用する商品が誕生しました。

少し前にUPしましたN700系のデザインを思わせるディテールの商品です。

商品名 mini うちはダイニングテーブルです。

今回はminiうちは の商品ストーリーを分けて紹介します。

 

1つの問い合わせから始まりました。

こちらの商品をご覧にショールーム来店予約頂きました。

予約してお越しいただきましたので私としては200%以上の満足度で見学を終わってもらいたいと思い対応したのを覚えています。

お話をお聞きする上でお引越し先の間取りで家具のレイアウトに非常に悩まれている様子でした。色々と現状の思いをヒヤリングしていきます。

要件を解決すべくLife is家具マルミヤの現行商品をサイズアレンジしてできないものかとあれこれ考えながら提案を試みますがいまいちピタッとハマるようになりません。当然他社の商品でも使えるものも見当たりません。かなりの難題でした。

 

お客さまにもご了承いただいて時間はかかりますがここからオーダーの枠を越えた商品開発がはじまります。

次回に続く。